那覇市首里の住宅地、1990年代に開発された新興住宅街の中に私の家があります。
私の家の前、道を挟んだ向かいの区画、約80坪の土地は家を建てることもなく、30年ほど経過しています。
これまでは、時折、おじさんがやってきて、雑草が生えないように、ビニールのようなシートをかぶせ、草刈りをしたり、隅っこのほうで、バナナや冬瓜などを植えていました。
しかし、時が経つうちに、そのおじさんも来なくなり、代わりにやって来たおじさんは、数ヶ月に一度ほどの割合で、除草剤を散布しにやってきました。
そして、2021年1月、正月もあけて数日たったある日、この土地の地主が私の家にやってきました。
除草剤を散布するおじさんも、体が言うことを効かなくなったので、この土地の向かいに住む私に、お鉢が回って来たのです。
これまで、地主さんとは直接会ったことがなかったのですが、除草剤を散布するおじさんとは、会った時に世間話をする程度の間柄でした。そのおじさんの提案だったそうです。
除草剤、薬を散布する蓄圧式噴霧器などの機材を提供するので、雑草が繁ったら、除草剤を散布してほしい。謝礼をお支払いしますので、というのです。
話を聞いていると、地主さんは、近隣の住民に迷惑をかけないように、雑草が伸びたら除草剤を散布してほしいということです。
つまり、この空き地を近隣住民が見苦しくないいように、迷惑をかけないように、私に管理してほしいらしく、周りに迷惑をかけないのであれば、畑として野菜でも作ってもいいですよと言われたのが、事の始まりです。
もともと、農業には興味があるものの、土地を借りてまで農業することは考えていませんでした。
せいぜい、猫の額ほどの自宅の庭で、島唐辛子や、パクチー、ガパオなどのハーブ類を植えたことがあるだけの、ど素人です。
こんなど素人でも、ちゃんとした野菜ができるのかわかりませんが、大好きな二十日ネギを栽培してみよう、パッションフルーツを金網に栽培してみようなど、考えていくと楽しくなってきます。
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